健康診断の勧め  ( 2004/12/07 )

皆さんは健康診断をうけていらっしゃるでしょうか?検診の目的や限界はご存知ですか?検診は病気を早期に発見することで手術などの高額医療の負担が減るように政府が推進しているのです。検診をして異常がないと「私は健康体だ」と安心されると思いますが、ここには落とし穴があります。例えば肺のレントゲン検査で何も所見がなくても肺がんがないとは言い切れないのです。
健康診断には3層の状態があります。第一層として「全くの健康体」、第二層として「健康診断では異常なしだがなんらかの病気が隠れている」、第三層として「健康診断で異常がある」の3層です。健康診断で異常値があるのに全く気にしていない人を時々見かけますがこれは倒れかかっているビルを放って置くようなもので早く対処すれば早いほど立て直すのに負担が少なくて済みます。検診で異常がないといってもがんや動脈硬化がないと断定できるわけではありません。ましてや検診で異常があればすぐに対応する必要があります。
 
ここでポイントは健康診断が病気前の病気を見つけるチャンスであると言うことです。たとえば、肝機能は正常であれば問題ありませんが、GOT、GPTのうちGPTだけが高値をしめした場合、肝炎または脂肪肝が疑われます。脂肪肝は体で代謝されるエネルギーに比べ食事などによるカロリー摂取量が多い分を脂肪として肝細胞に貯めこんだものです。甘いものやご飯のような脂肪分でないものでも貯める時には脂肪に変わります。私はそんなに食べてないのにと言う方は一度、医院などで食事指導を受けてみましょう。3日分の食事内容を全て書き出して栄養士さんにみてもらうのですが、カロリーオーバーを指摘されることが多いです。それでも私は食べてないと言う方はストレスが関係しているかもしれません。
一説によるとストレスは細胞を先祖帰りさせると言われており、肝細胞はストレスにより脂肪を貯め込んでいた進化前の状態に戻るらしいのです。対処法は食事よりもストレス解消と言うことになります。いずれにしても脂肪を貯めこんだ肝臓は働きが悪くなり、進行すると元に戻らなくなります。フォアグラと同じ脂肪肝からは早く脱したほうが良いと考えられます。

健康診断は職種により項目が違うことをご存知でしょうか?しかもたくさんの検査を受けるとそれだけ経費がかかるので、なるだけ項目が絞ってあるのです。健康診断費用を負担する側(企業側)からすれば当然のことですが、健康診断を受ける個人の側からするとより詳しく調べてもらいたいわけです。
私の経験では建築関係の方々は日頃体を使っていらっしゃるせいか比較的健康、丈夫な方が多いようです。息切れがしますというのでよく伺うと建築中のエレベーターのついてないビルの15階まで上がると息が切れますとおっしゃる。日頃運動をほとんどしない方と比べますと大変な体力ということになります。逆に1日中デスクワークをされている方ですと消費カロリーが少なく、筋肉も使わないためか何らかの異常を示す方が多いという印象を受けます。特にご自身も健康に不安があるというのは座ったきりのタクシー運転手さんです。