親からもらった体  ( 2005/02/17 )

私達人間は父の精子と母の卵子の融合した時にそれぞれの遺伝子成分が選ばれて人になります。従って両親からのいろいろな遺伝的な体質を受け継ぐことになります。

先日の新聞によりますと生活習慣病の遺伝子診断の一つとして、1万4000人の日本人の血液を調べて2万種類の遺伝子候補から高血圧に関連する中核的な原因遺伝子10種類と補助的な原因遺伝子を70種類確認したそうです。これからは自分の遺伝子を調べると遺伝的になり易い病気が判る時代になってくると思います。

でもそんな検査をしなくてもわかることはあります。親の病気は子もなり易いということです。親が糖尿病なら自分も危険性があると思わなければなりません。

比較的若いうちにがんが発生してしまう遺伝子がありこの遺伝子をBRCAと呼んでいます。この遺伝子を持っている女性は乳がん・卵巣がんの両方にかかり易いのです。その遺伝子でなくても「母が○○がんだった」と言う方はこの先、同じがんが出てくる可能性がある訳です。「父は脳卒中で逝ってしまった」 という方もいらっしゃるでしょう。以前に比べ、栄養状態がよくなったことで脳卒中は減少傾向にあります。
しかし一方で現代社会は様々なストレスが増えており、原因の異なる脳卒中は起こり易いともいえます。

親以外では兄弟・姉妹の病気はやはり自分と無関係ではないでしょう。遺伝的には親よりはやや関連性が低いのですが、体質や性格が似ている、食べ物の好みなど生活習慣が似ている、となれば同じ病気にかかる可能性も上がってきます。同じ時代を生きていることで、環境の影響も同じということもあり、自分の鏡であるという認識を持つと良いでしょう。ただし、たとえ双子でも生活環境が違うと明らかに差がでることもあるのです。これは遺伝的な要因では全ては説明できない、生活習慣や環境で遺伝的な要因を克服することも出来るという証拠でしょう。